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未確立の細胞と遺伝子治療：医療従事者向けのガイドラインとリソース

International Society for Cell & Gene Therapy (ISCT)（国際細胞遺伝子治療学会；ISCT）は、多くの人々の生活に有益で大きな影響を与えることができる新しい革新的な治療法の開発に取り組む世界中の専門家を結集しています。私たちは、あらゆる社会で最も困難な病状を抱えている人々の平均寿命と生活の質の向上に向けて取り組んでいます。

目次

細胞・遺伝子治療（CGT）は、急速に成長している医療分野です。

細胞および遺伝子ベースの製品は、すべての国ではありませんが、一部の国で日常的な診療の一部として利用されており、さらに多くの製品が開発されようとしています。  

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製品が、安全性と有効性を独立して評価する規制当局から証明・承認されている場合、これらの製品は、様々な臨床症状に対して安全で効果的であることが主張されていますが、多くの場合、これらの主張を裏付ける科学的証拠はほとんどありません。さらに、これらの製品が科学的根拠に基づいているように見せるために、誤った情報や誤解を招く情報が利用されています。

ISCTは、患者の安全と利益を念頭に置いて、細胞および遺伝子ベースの製品の倫理的開発を心から支援し、実施面の改善をさらに進めていきたいと考えています。

しかし、一部の個人や企業は、未確立の・承認されていない製品を直接一般市民に提供しており、その多くは、衝撃的な診断を受けて治療法や答えを探している弱い立場の人々です。

ISCTは、これらの非倫理的な行為について大きな懸念を抱いており、一般市民が確実に保護される方法を模索しています。

本ガイドの内容

本ガイドでは、安全で承認されたCGT製品と、安全と有効性の証明記録がなく、適切な規制機関から承認を受けていない製品の違いを医療従事者が特定し、区別する方法について記載しています。また、未確立の製品の使用に関する懸念事項や、実際の損害を報告する方法についても説明しています。

付録 1 では、CGTに関するリソースの一覧と、どれが証明されていて、どれが未確立の製品かを判断する方法について説明しています。

 承認・証明されたCGT製品

CGT製品は、世界中にある適切な規制当局の監督の下で、品質、安全性、および有効性を実証する厳格なプロセスを経る必要があります。

承認・証明されたCGT製品は、その品質、安全性、および有効性が慎重に実施および監視された臨床試験を通じて実証され、信用のある査読付き科学雑誌に報告された後に一般に提供されます。

承認済み製品の一覧は、適切な規制当局のウェブサイト (付録 2 ) およびISCT委員会の細胞および遺伝子治療の倫理（ECGT）に関する 情報リソースウェブサイト から入手できます。

 未承認・未確立のCGT製品

未確立のCGT を直接一般市民に提供している企業が増えています。

これらの製品は、様々な臨床症状に対して安全で効果的であることが提示主張されていますが、多くの場合、これらの主張を裏付ける科学的証拠はほとんどありません。さらに、これらの製品が科学的根拠に基づいているように見せるために、誤った情報や誤解を招く情報が利用されています。

未確立の治療法の例

未確立の治療法の特徴

未確立の治療法は、以下の基準の一部またはすべてを満たしています：

潜在的な有効性を示唆する科学的根拠が不明確


臨床での使用を支持する作用機序および/または生物学的機能が不明


アッセイ、動物モデル、および/または臨床試験から得られた安全性プロファイルに関するデータが、患者での使用を裏付けるには不十分

製品の品質を確認し、必須のガイドラインの遵守に基づいた製造の一貫性を確保するための標準化された方法の欠如

適切なインフォームドコンセントを可能にするために患者に開示した情報が不十分

標準化されていない、または検証されていない方法を使用して投与


適切な国内規制当局による監督、審査、および承認が欠如


治療または臨床試験への参加に対する、多くの場合高額な支払い（「有料参加型」試験）

証明・許可されていないCGT製品の販売

.未確立のCGT製品は、実際よりも頑強な科学的根拠によって裏付けられているように見える方法で販売されていることが多くあります。 

これらの販売戦略は、総称して次のように言われています。

「科学的に正当と見せるための象徴」

 

これらの科学的に正当と見せるための象徴は、ソーシャルメディアを通した消費者向け直接広告に含まれていることが多く、臨床医や他の医療従事者が、適切な科学的根拠がないことを十分に考慮せず、未確立の治療を選択するといった誤った方向に導かれる可能性があります。これらの説得力のある戦術は、患者の証言や有名人の推薦にとどまりません。

これらの「科学的に正当と見せるための象徴」が正当な臨床研究の特徴かもしれませんが、新しい治療法が安全で効果的であることを立証する十分な証拠を提示するものはありません。したがって、医療提供者は、一般の人々が通常アドバイスを求めるグループであるため、未確立のCGTを阻止する重要な役割があります。


注意喚起が必要な事例

一般の人々によるCGTの評価を支援するために、
医療従事者はどのような行動をとることができますか？

01

治療を検討している人が科学的データを確認し、製品の適切な前臨床および臨床研究が実施されているかどうかを判断できるようにします。このような議論を促進するウェブサイトを付録 1 に記載しています。

02

特定の疾患に対して、承認・証明された細胞療法がない場合、治療を検討している人が科学的な方法で、適切な規制当局の監督の下で実施されている適切な臨床試験を特定できるようにします。

03

科学的に立証できない治療効果を主張するクリニックや企業を、関連する規制当局、患者擁護団体、およびISCTやそのECGT委員会などの科学団体/学会に報告します。患者擁護団体や科学団体/学会は、個人を正当な提供者に導き、非倫理的な提供者から遠ざける情報を配布することができます。

04

未確立の細胞療法によって被害を受けた個人が、規制当局、患者擁護団体、ISCTやそのECGT委員会、および/または関連する科学団体に報告する支援をします。情報の配布に関わる個人が多ければ多いほど、情報が必要な人々に届く可能性が高くなります。

報告に関する詳細については、文末を参照してください (付録 3 )。

報告の仕組み

未確立のCGT製品によって個人が不幸にも被害を受けた場合、そのような被害を医師や介護者、さらには適切な規制当局に報告することが重要です（付録 3 ）。

これらの機関は、このようなイベントを追跡するだけでなく、悪質な提供者や開業医を追跡し、起訴することもできます。

まとめ

未確立のCGTベースの治療法の使用は、その製品を受け取る個人だけでなく、家族や介護者にもより広範な影響を与える可能性があります。

未確立の治療法は、安全で証明された効果的な新しい治療法の開発を試みる正当な研究に悪影響を与える可能性があります。ISCTは、医療従事者に対して、入手可能なすべての情報を慎重に検討し、未確立の介入の一般的な特徴に注意し、CGTに関する最善の情報に基づいた推奨を行うことで、最終的には患者を保護するよう呼び掛けています。

詳細情報の提供が可能な組織の一覧は以下の通りです。

付録

免責事項:これは網羅的なリストではありません。ISCTに規制当局追加の検討を求める場合は、こちらからお問い合わせください。

免責事項:これは網羅的なリストではありません。ISCTに規制当局追加の検討を求める場合は、こちらからお問い合わせください。